モカシンテレグラフ

日記・雑記 料理とバイク旅の話が多め。NZ思い出話も時々

EVが増えていたNZ

2月のNZ話。車事情。久しぶりに行ったらEVの数がものすごく増えていた。迎えに来てくれた友人も、別の友人もEVになっていた。フォードとテスラ(向こうではテズラと発音してた)。オークランドに限って言えば、日本の比ではない普及数だと思う。街を走る車3,4台に1台はEVという感覚。

 



 

少し前に、政府がEV普及のためにずいぶんと手厚い補助金を出したり、税制等の優遇もあったため、みんな飛びつく様にEVを導入したらしい。政府の思惑としてはバッチリ。ただ、その後、かけた梯子を外されるかのように様々な優遇がなくなり、更に距離税も付加することになったということで、みんなものすごく怒っているらしい。わかりやすく言うために「距離税」と書いたけど、勝手な言葉。NZでは「マイレージを買う」みたいな言い方してて、ディーゼル車はこのあと走る予定の距離に応じたお金を収めて走らないといけない仕組みになってる。このマイレージオドメーター80000kmまで買ってあって、今現在の実走行距離75000kmなら、あと5000kmは走ってよくて、近づいたらまた買い足して、例えば85000kmまでオッケーにしておく、みたいな感じ。これが結構するので、燃料代としてはガソリンより軽油の方が安いんだけど、結局相殺されて、あんまり変わらない、という感じ。どこの国でもあらゆる方便で税金を取ることには躍起になっている。で、この距離税をEVに課すのでみんな怒ってる。ともかく電気を繋いで充電できるものすべてにかける予定らしく、PHEVにも距離税をかけるとのことで、もうここまで行くと「え?」となる。PHEVの人は踏んだり蹴ったりな気がする。(ここまで、2024年2月での話&現地の友人から聞いただけ書いているので、それなりと思ってください。特に政府公式発表とかは調べてないよ)

 

その他、みんな実際に使う移動距離が長い、やっぱり充電に時間がかかる、(充電池の寿命の件で)EVはリセールバリューがほぼ無くなることなどもあって、EV熱はほんとに一瞬沸騰したけど、かなり下火になっている模様。

 

急速充電設備設置の問題(場所&コスト)もあるようで、今はBPががんばって担っているらしい。もちろんBPも商売なのでそれなりのことを見込んでではあるだろうけど。

 

 

BP的には、ここで15~20分充電休憩を入れてもらって、ショップ内のコーヒーやホットスナックの消費につなげていく思惑なのかな。ちゃんと携帯の充電も無料でできるよ。

 

ちょうど同時期に、アメリカの大手レンタカー会社(ハーツアメリカ)では一旦はビシッと揃えたEVを全部売ってハイブリッド車に買い替えたというニュースも出ていた。やはり航続距離と充電の(場所探しと充電時間の)不便さが旅行者に全く受けなくて、ガソリン車は全部出払っているのにEVだけ全車開店休業状態で、買い替えに至ったとのこと。ニュースによるとハーツだけではなく一般の人も含めてアメリカではハイブリッド車にトレンドがうつってるそうで。

 

新しいものが出てくるときは、もちろんアップダウンがあった末に落ち着くのが基本だから、どれか一つを取って良い・悪いを言うつもりはまったくない(蛇足だけど、ガソリン車よりEVの方が先らしいけどね、車歴史的に。だから「新しく」もないんだけど)。洋の東西を問わず、どこも似たりよったりなんだなというのと、そういうダイナミックな過渡期を体験できるのはラッキーなことだよなと思うと幾分ハッピーになれるんじゃないかと思った。