モカシンテレグラフ

日記・雑記 料理とバイク旅の話が多め。NZ思い出話も時々

講習ごとって結構好き

先日、酒販管理研修に行ってきた。ちょっと前から最低3年に一度の強制になった研修。通常3時間ほど、現在コロナ考慮の2時間ほど、しっかりの講習。時をほぼ同じくして運転免許の更新も行ってきた。残念ながら軽微な違反を1度してしまったのでこちらも1時間の講習。

 

こういった講習ごとって、まあ普通は疎んじられるけれど、自分は割に好き。もちろん、毎日では嫌だけれど、それこそ3年に一度、5年に一度程度ならば。講習の内容そのものにもちゃんと内容があるし、行間を読むのも楽しいし、講習用映像(映画?)を見るのもまた味わいがある。講習用の映像そのものはニヤニヤしちゃうくらい判で押した作りだし、わざとらしいけど、数年毎に1度の頻度で見続けると同じトピックなんだけれど少しずつ表現が変わってきたり、そういうアップデート、差分を見て取れるのが面白い。

 

酒販講習は法律的な話から健康に及ぼす影響の話など、いろいろ気付きが多く面白い。大部分の内容は20歳未満の飲酒防止へものすごい注力しているんだけれど、この辺は酒・国税、警察・刑事事件なんかと密接なので、まあ仕方のないことだろう。そんな中面白いなと思ったのは

  • 年齢確認の徹底と確認方法
  • 酒類の地理的表示
  • 飲酒の健康への影響

あたり。

 

年齢確認関係では、国税庁と警察とでどれを根拠とするか、したいか、させたいかの差異が少々あるよう。保険証での年齢確認を認めているけど、この場合、写真付きではないので(借り物の可能性があるので)、更に銀行のキャッシュカード等で同名かどうかの2重チェックをすること、とのこと。いや、顔写真付きのIDのみを有効とすれば済むことと思うんだけれど… 顔写真なしIDの限り、いくらでも借りてこれるし。ただ、責任分界点という話だと、店側の責任としては上記の(顔写真なしIDの)2重チェックをすることで義務を果たしているので、ここまでやった上で実は購買者は偽りのIDを使った未成年者であった、そしてその酒購買が原因で事件が起きてしまった場合、年齢確認に関しては購買者の悪意という事になり、店には(年齢確認という点に関しては)お咎めがないというような、お話。

 

あと、コンビニ等で酒を買う時に画面タッチをさせられるけど、あれは「店が客に対して年齢確認をした(責務を果たした)」という根拠には一切ならないとのこと(何かあった時に警察は根拠として認めない)。これは大いにへーっとなった。先生曰く「そもそも、あのPOSのタッチプロセスの最初の頃の画面文言は「今あなたが買う品物はお酒ですよ」という物で、あくまで、これから酒を買うことを購買者は理解している、という確認文言だった。それがいつの間にかなし崩し的に年齢確認の文言に変移してきた」と。じゃなんで店側はやってるんだろう、御為ごかし?不思議。

 

酒類の地理的表示。所謂シャンパンはシャンパーニュ地方のものにしか呼称できない的なやつの、日本版、日本各地版のやつ。面白かったのは地理的表示指定の第一号は「壱岐」だったとのこと。麦焼酎発祥の地が壱岐だそうで(諸意見はあろうけれども)。ただ一覧を見ると平成7年6月30日、同日付けで「壱岐」、「球磨」、「琉球」が指定されているのでこの3つが、まあ最初の指定なんだろう。物理的に必ず順番ができてしまうので、その点も加味しての壱岐が一番なのかな、あとは五十音順の関係とか(講習ではそこまで言及されなかったので)。あと、次の指定が10年後の平成17年まで間が開いているっていうのも、いろいろ感じる。

 

飲酒の健康への影響。全世界的な連携調査の結果、成人男性1週間の許容摂取純アルコール量100g、女性の場合はこの半分(女性の方が肝硬変リスクが高いらしい)。純アルコール量計算は簡単で容量xアルコール%x0.8(アルコール比重)。ビール500ml、5%の場合20g。ビール500ml1本を毎日7日飲むと140gで既にオーバー。これを受けてということらしいけどアサヒは所謂「ストロング」系からの撤退を発表したそう。それから、3.5%ビールを作っているのも、これで計算すると500ml3.5%ビールを7日飲んで純アルコール量98gで許容内だから、という戦略があるらしい。ストロング系はドル箱なんじゃないかと思うけど、それをやめてでも「一番に廃した」ことから得られるものの方がでかいという判断なのかな。大変興味深い。

 

20歳未満への飲酒防止徹底や健康への影響その他を鑑みて感じるのは「酒はもう売らない、飲まないのが一番」じゃないかなーと。未来の人たちはこう言ってるかもしれない「数百年前の人類はなんと、アルコールを飲用摂取していたんです!」「えー!?なにそれー!どうゆうこと!?信じられない。意味分からなーい」。そこまで飛躍しなくても、タバコの立ち位置の今昔がいい例か。あ、お酒大好きですよ、私は。その人間がこの結論に行き着いてしまうほど、ということ。

 

長々となってしまった。