モカシンテレグラフ

日記・雑記 料理とバイク旅の話が多め。NZ思い出話も時々

2024年6月 テネレで北海道 金カム聖地巡礼ツーリング 07

06からの続き

 

6/25、3時起床、4:45東横INN出発。ほら、普段だと朝ご飯食べられないでしょう?昨日の天気で、ホテルにはバイクが溢れている。

 

本日は旅のメインディッシュの一つ、博物館網走監獄。でも、もちろん開園にはまだ早すぎる。朝の気持ちの良いゴールデンタイムにしっかりと北海道ツーリングを満喫するということで、まずは「天に続く道」へ。

 

北海道外の人からするとすごーい!となるんだろうけど、正直、北海道は地理的特性からか、こういう感じのところは結構どこにでもあると感じる。いかにブランディング、周知するかさせるか、だけの違いと感じた。なんだっけ、他にもジェットコースターの路だったかな?そんなようなのもあるし、いくらでもあるんだと思う。実際走ってても(程度の差こそあれ)似た感じの道を通った。ここ「天に続く道」は、個人的には、まあ近くに来たら通ってもいいかな程度だと思う。インスタあたりの価値観だと「そのアイテム(現場)を獲得したこと」が大事であって、物そのものがいいか悪いかは二の次になるから、まあなんでもいいのだろうけど。

 

さて、まだまだ時間に余裕があるのでそのまま知床横断道路で知床峠へ。先程の快晴から打って変わって曇天からの霧雨。峠ではびしょ濡れ、さっと記念撮影して羅臼側へ降りていく。羅臼側も変わらずの天気。

 

そして、ついにメインディッシュの博物館網走監獄。こちらは天気快晴。いい采配だ。

 

金カム設定参考の写真は山程あるので、お気に入りを一部。かどくらぶちょーの官舎。展示には当時の看守達の生活水準なんかも事細かく説明されている。

 

鎖デスマッチの教誨堂とあのドア。

 

 

五翼放射状平屋舎房!白石と第4舎・第66房。

 

 

もちろん、博物館は金カム博物館ではないので囚人を使役して動いてきた北海道の開拓使が壮大なスケールで解説されている。大変勉強になる。そんななか、自給自足と農業関係の話も切って切れない分野なので、農業に関する展示も多数。当時の農耕器具も展示されている。

 

 

明治20年代に使用されていた機具達。おわかりいただけるだろうか。例えばプラウの爪が1本から複数本、馬が引く代わりに100馬力超えのトラクターで引く、そういう進歩はあるにせよ、現代でも基本原理は明治の頃から何ら変わっていないという、単純にその事実に驚愕(あるいは落胆?)せずにはいられなかった。あれから100年以上経つのに、だ(現代農業・農政の構造的問題に憤りを感じる人間の単なる感想)。

 

ただ単純にアトラクティブにぱっとみて凄い!という楽しみ方でも十分楽しめるが、ぜひじっくりと解説を読んで咀嚼吸収して欲しい、充実した内容の博物館だった。

 

移動しようと思ったけれども、ものすごい局所雨雲がまさに頭上を通過しそうになっていたので、やり過ごしを兼ねて併設のレストラン「監獄食堂」で監獄食。なかなかヘルシーで美味しかった。

 

本日は北見に滞在なので、移動。途中通る道がいわゆる「囚人道路」の一部。北海道のメイン道路開拓に囚人が使役され、過酷な自然環境・労働環境のもと酷使されたので囚人たちはバタバタと死んでいく。もちろん、死んだ囚人を葬るなどという余裕はなく、皆道路脇に打ち捨てていかれる。築いた道路長と死亡した囚人で単純に割り算すると約200m毎に 約700m毎?に囚人が埋まっている計算などとも言われている。囚人たちの亡骸がそのままではあまりに不憫ということで一人の尼僧が声を上げ、後に遺体を回収、丁寧に葬るという活動がなされたそうで、道路脇に沢山の慰霊碑があるのはそういったわけである。その慰霊碑のうちの一つに手を合わせてきた。

 

 

明日はメインディッシュふたつ、旭川の北鎮記念館、そして札幌の開拓の村へ。自分の旅もついにクライマックスへ。

 

08に続く